キャンピングカーを持つと、誰もが考えるらしい『サブバッテリーを強化したい』という話。
最近は家電を持ち込んで使えるようにしていたり、特に夏が灼熱化し始めていることで家庭用エアコンを装備しているキャンピングカーも増えています。
うちのPuppy480はというか、キャンパー厚木さんのPuppyシリーズは標準で家庭用エアコンが装備されていて、100AHのサブバッテリーが3台並列で接続されていて300AHの電力を引き出せます。
ただ、何度か使っていると実体験として判ってくるのですが、300AHのバッテリーってちょっと電力不足に感じます。
その理由は至極単純で、サブバッテリーに使われているのが鉛ディープサイクルバッテリーという物で、特性として使っていると電圧が下がっていきます。通常の乾電池と同じですね。
そして、有効使用電圧があってそれが11Vくらいまで使用できるはずですが、実際は11.8~11.5Vになると大電力を使用する機器は使えなくなります。
それを解決できるのが大電力に向いているリチウムイオンバッテリーです・・・と言われています。
なんでPuppyシリーズはオプションでもリチウムイオンバッテリーにしないのかな?と思っていたら、youtubeのキャンパー厚木さんのチャンネルで社長さんが話されていますが否定的でした。
実際、それでもPuppy480のサブバッテリーをリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに交換しようと画策し、現在Puppy480で使用されている電装システムに使用している機器を調べてみました。
・走行充電器 :未来社 DC-1220SP
・ソーラー充電器 :ブルースカイ SB3024iL MPPT
・統合充電器(すぐれもの充電器) :未来社 CH-1225GFP
それぞれのデータを見てみると、バッテリーだけリチウムイオンバッテリーに交換すればそのまま使える装備でした。社長はリチウムイオンバッテリーは否定的なのに、この装備は・・・
社長のツンデレなのか、従業員さんたちが謀反でこっそりと良い機種を導入していたのかw
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに交換するにしても多種多様にありますし、Youtubeでも○○に交換したという系統の動画が上がっていますし、皆さんのブログにも交換した系の記事を書かれています。快適になったのはわかるのですが、見れば見るほど疑問が出てきたので調べてみました。
その結果から。
①リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは10年使える・・・ほぼ間違い。
内部は3.2Vのセルを直列で4つ組み合わて12.8Vを作っていますが、このセルにバラツキがあります。
1つのセルは最長10年使えても、時間は半分以下になっているとか正確な情報ではありません。
10年使えるという文言は、どの使用レベルを指しているのかが書かれていません。
基本的に性能試験などは一定の温度で同じパターンを繰り返して1~2年のデータで割り出しているので、実際の使用方法だと劣化に差が出てきます。
電池はどのタイプでも、メーカー公称の7割が耐用限度(1000回なら700回程度、10年なら7年程度)だと思っていれば問題ないかと。
ついでに書くと、Amazonで扱っているリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのメーカーは製造工程での品質管理が怪しい。
”ISO9001 リン酸鉄リチウムイオンバッテリー” でググると見事に出てこなくなります。
まさかリ〇ジーも出てこなくなるとは思っていませんでしたが。リ〇ジーも中国のメーカー製品でも、バッテリー充電器は出てきました。
②BMSバッテリーマネジメントシステム)の機能・・・機能に差がありすぎる。
安いリチウムイオンバッテリーと高価なリチウムイオンバッテリーを比較すると、BMS(バッテリーマネジメントシステム)の機能の有無がはっきりと有り、それが価格差として出ています。
A:ほぼすべてのBMSに装備・・・・・・短絡・過充電・過放電・過電流の制御。
B:Aから1~3万円くらい高い・・・・・上記に低温監視機能とヒーター機能付き。
(0度以下で充電すると劣化するため。)
C:Bから2~3万円くらい高い・・・・・上記に高温監視機能付き。
D:Cから5万円以上高い・・・・・・・上記にセルバランス機能付き。これが長期間維持する機能。
”ISO9001 リン酸鉄リチウムイオンバッテリー”でググるとセルバランス機能付きBMSを装備した製品ばかりなのと、ほとんどが国内メーカーです。
低温監視機能が無い場合だと、キャンピングカーの屋根に固定でソーラーパネルでも充電しているシステムでは、冬場の冷え込む時期にキャンピングカーを使っていない日などにバッテリーが劣化しそうです。
それでもリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに交換するメリットですが、
1・軽い。無駄重量が減るので車の燃費向上やパワーの無駄遣いが減る。
100AHの物なら1個20kg前後軽くなります。
2・空になるまでほぼ同じ電力を使える。(空になるまで使うと劣化が激しいようですが。)
3・鉛ディープサイクルバッテリーよりは長寿命。交換頻度が減るのは身体の負担が減ります。
BMSの機能が低い安い物でも価格が鉛ディープサイクルバッテリーの3倍するので、セルバランス機能が無いBMSでも鉛ディープサイクルと同じ位の期間は持ってくれないと交換の意義も無くなりますね。。。
※Puppyシリーズの鉛ディープサイクルバッテリーは台灣のKUNG LONG社製で、日本での販売価格は29000円前後のようなので、下手すると中国系大手のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと同じ価格帯です。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが急激に普及し始めたのが2021~2022年頃からなので、もし思った以上に短命であれば、2024年後半頃から寿命の情報がどんどん出てくると思います。
ちなみに、『2年使ったら20%ほど劣化した』という内容の動画は見つけました。
続きます。

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